蓄電池用地は、なぜ「数億円」の値がつくのか

系統用蓄電池の建設には、電力系統への接続(系統連系)が必要です。この系統連系にかかる工事費は、案件によって2億円から30億円以上まで大きく変動します。

長期脱炭素電源オークション(LDA)の仕組み上、国からの収入はどの事業者でも同水準です。つまり、建設コストが安い案件ほど、利益が大きくなる。連系コストの安い案件は、そのまま「利益が確約された資産」として評価されるため、土地と権利に高い値段がつきます。

接続検討申込は2024年度に約95GWに達し、前年度の6倍に急増。一方、系統の空き容量は有限です。条件の良い案件の希少性は、日増しに高まっています。

5つの判定基準

蓄電池用地の価値を決める要素は、大きく5つあります。すべてを満たす必要はありませんが、基準①(連系点からの距離)は最も影響が大きく、ここだけで案件の成否が決まることも珍しくありません。

1連系点からの距離

送電線の鉄塔・変電所から土地までの距離が、案件価値を最も大きく左右します。300m以内であれば鉄塔の新設が不要となり、系統連系工事費が桁違いに安くなります。1km以上離れると鉄塔新設が必要となり、工事費だけで20億円を超えるケースが一般的です。

連系点からの距離工事負担金の目安評価
300m以内
最高評価
2〜5億円程度鉄塔新設不要。最も高い買取価格がつく
300m〜1km
条件次第
5〜15億円程度自営線ルートが確保できれば検討対象
1km超
要個別判断
20億円以上特殊な好条件がなければ事業性成立が困難

2系統の空き容量

蓄電池は充電と放電の両方を行うため、逆潮流(発電側)と順潮流(需要側)の両方に系統容量が必要です。最寄りの変電所・送電線に十分な空き容量があるかどうかは、各送配電事業者が公開している「系統空き容量マップ」で概ね確認できます。空きがない場合、系統増強工事が必要となり、費用と期間が大幅に増加します。

3土地の面積と形状

50MW級の蓄電池には、概ね1万㎡(約3,000坪)以上の面積が必要です。蓄電池コンテナ、PCS(パワーコンディショナー)、受変電設備、管理棟、搬入路を含めた配置を考えると、ある程度整形で平坦な土地が望ましいとされます。傾斜地でも造成は可能ですが、造成費用がプロジェクトコストに上乗せされます。

4法規制

農地(農振除外・農地転用の可否)、都市計画区域(市街化調整区域での開発許可の要否)、自然公園法、森林法、土壌汚染対策法など、土地の法規制は事業化スケジュールとコストに直結します。宅地や雑種地、既存の工業用地であれば規制クリアが容易で、評価が高くなります。

5アクセス

建設時に大型車両(4tトラック以上)が搬入できるアクセス道路が必要です。蓄電池コンテナやPCSは大型貨物として搬入されるため、前面道路の幅員や接道状況が重要になります。高速道路ICからの距離も、建設コストに影響する要素です。

今すぐ確認できること

まだ専門家に相談する前の段階で、ご自身でも簡単に確認できることがあります。

Google Earthで最寄りの送電線鉄塔・変電所までの直線距離を測る。これだけで基準①の概算が分かります。送電線は地図上で鉄塔が点線状に並んでいるのが目印です。変電所は「○○変電所」としてGoogle Mapsにも表示されていることが多いです。

送配電事業者の系統空き容量マップを確認する。東京電力パワーグリッド、関西電力送配電、東北電力ネットワークなど、各社のWebサイトで公開されています。「系統情報」「空き容量」等で検索すると見つかります。

土地の登記簿で地目・面積を確認する。地目が「宅地」「雑種地」「山林」等で、規制のハードルが変わります。

これらの確認はあくまで初期スクリーニングです。実際の事業性評価には、接続検討申込→送配電事業者からの回答取得が必要です。弊社では概算査定の段階でこれらの調査を代行しています。

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