よくある「事業化断念」の理由

系統用蓄電池の接続検討申込は2024年度に約95GWに達しました。しかし、接続検討回答を受領した後に事業化を断念するケースは少なくありません。典型的な理由は以下の通りです。

工事負担金が想定以上だった。接続検討回答で示された工事負担金が10億、20億円を超え、事業の収支が合わなくなった。特に鉄塔の新設が必要なケースでは、想定の数倍のコストが提示されることがあります。

資金調達の目処が立たない。系統用蓄電池は総事業費が数十億〜百億円超の規模になります。プロジェクトファイナンスの組成には金融機関との高度な交渉が必要で、社内にその経験がないケースも多いです。

LDAの競争倍率が高すぎる。第2回LDAの蓄電池競争倍率は約5倍。5件出して1件しか落札できない計算です。落札できなければ20年間の固定収入が得られず、事業計画が根底から崩れます。

会社の方針転換。経営判断で蓄電池事業から撤退、または他の事業に経営資源を集中する。太陽光事業の方が手堅いと判断するケースもあります。

いずれの理由であっても、接続検討回答には期限があります。回答日から一定期間内に工事申込をしなければ、回答は失効します。放置しているだけで、権利の価値はゼロに向かいます。

3つの選択肢の比較

選択肢 1

自社で事業化する

接続検討回答を活用し、自社でEPC選定、補助金申請、LDA入札、プロジェクトファイナンス組成を進めて蓄電池事業所を建設・運営する。最もリターンが大きい選択肢ですが、必要なリソースも桁違いです。

メリット:事業からの長期収益(LDAの20年固定収入)を全額享受できる
課題:総事業費50〜150億円の資金調達、専門人材の確保、2〜4年の事業化期間が必要
選択肢 3

接続検討を取り下げる

送配電事業者に対して接続検討の取り下げを届出する。接続検討に投じた費用(数十万〜数百万円)と時間は回収できません。

メリット:手続きが最もシンプル。今後の管理コストが一切不要
デメリット:投下コストは全額損失。権利の市場価値がゼロになる

選択肢2「開発権の売却」の実務

開発権の売却を選ぶ場合、以下のような流れが一般的です。

買い手の探索。蓄電池事業を展開する企業は、上場大手エネルギー企業、総合商社、インフラファンド、デベロッパーなど多岐にわたります。独力で買い手を探すこともできますが、案件の技術的価値を正しく評価できる買い手に繋がるかどうかが、売却価格を大きく左右します。

権利の評価と価格交渉。工事負担金の確定額、連系点からの距離、系統構成、土地の法規制等を総合的に評価し、売買価格を決定します。技術的な評価ができる者が介在するかどうかで、売り手が得られる対価は大きく変わります。

売買契約と名義変更。権利部分の売買契約を締結し、送配電事業者に対して名義変更の申請を行います。名義変更の審査期間は電力会社によって異なりますが、概ね3〜6ヶ月程度です。土地の売買は、売主・買主間で直接契約するのが一般的です。

権利譲渡の手続きは案件ごとに異なります。接続検討回答の内容、送配電事業者の運用ルール、土地の権利関係などを踏まえた個別の判断が必要です。

「放置」が最も損をする理由

接続検討回答には有効期限があり、期限を過ぎれば権利は失効します。また、系統の空き容量は他の事業者にも開放される可能性があり、時間が経つほど権利の相対的価値は下がります。

さらに、2024年度の接続検討申込が95GWに急増した結果、今後は送配電事業者の審査が厳格化し、新規の接続検討回答取得がより困難になることが予想されます。つまり、既に取得済みの回答は、今後ますます希少性が高まる可能性があります。

事業化するか、売却するか、どちらかの判断は早い方が得です。少なくとも、放置して失効させるのは最悪の選択です。

まずは、査定額をお確かめください

接続検討回答書をお送りいただければ、48時間以内に概算の査定額をお伝えします。
費用は無料、売却義務はありません。

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