当社には、自社で申請した分と売主から届く分を合わせて、接続検討回答書が毎日届きます。届いた回答書で最初に見るのは、工事費負担金の総額でも所要工期でもありません。その2行は、どちらも確約ではないからです。回答書に付いてくる「注意事項説明書」が、負担金も工期も机上の検討で、契約申込みのあとの現地調査・用地交渉・作業停止調整で変わりうる、と書いています。回答書の本文を読むと、さらに2つ分かります。工期は回答日からではなく、工事費負担金を入金した日から数え、契約手続きの期間は入っていません。そして回答日の翌日から数えて1年を過ぎると、契約申込みを受け付けてもらえなくなります。

当社が最初に見るのは6か所です。申込内容の充電kWと機器、連系可否の但し書きと検討範囲の1文、工事の概要と連系点の選定理由、負担金の内訳の行、工期の起算点、そして注意事項説明書。この6か所で、その案件が「できる」のか、「いくらぐらい」で、「いつ」なのかの輪郭が決まり、2行の読み方が変わります。

この連載は、その見方をそのまま書きます。入口編のこの回では、回答書が事前相談から運転開始までの流れのどこに立っている紙なのか、3つの紙でできた回答書のどこに6か所があるのかを見取り図にします。6か所の読み方そのものは 読み方編(51-2)、そのあと届く連系承諾は 承諾編(51-3)、全国の統計と当社が読んだ回答書の束(以下「当社の束」)の数字、電力会社ごとの違いは 数字編(51-4) に分けました。

この記事の内容
この連載の読者と前提 この連載の言葉 流れの中で、回答書はどこにある紙か 回答書は、3つの紙でできている 何が書いてあるか、どこを見るか 注意事項説明書の6項目は、「そのあと起きること」の予告 6か所を、1行ずつ この連載の読み方 よくある質問

この連載の読者と前提

読者は2種類で、どちらも電力の専門家ではない方です。

読者 A
買う人
開発した会社(売主)から接続検討回答書をもらい、その案件を買うか決める事業会社・投資家の方。回答書の数字が、買値と連系予定日の前提になっている。
読者 B
自分で申し込む人
土地を持っていて、電力会社に自分で接続検討を申し込み、回答書を受け取った方。次に何をいつまでにするかが、この紙に書いてある。

前提は3つ置きます。電力会社(管区)と土地は決まっていること。無料の事前相談は済んでいること。そして、系統用蓄電池の高圧か特別高圧であること。低圧は手続きが違うので、COLUMN 44 をご覧ください。

言葉は広域機関(電力広域的運営推進機関)の呼び方にそろえます。この連載で「回答書」と書くときは接続検討回答書のこと、「連系承諾」と書くときは契約申込みに対する回答(承諾)のことです。会社によって書類の題名が違うので、見分け方は読み方編の最初に置きました。

この連載の言葉

回答書と承諾は、同じものを違う言葉で呼びます。いちばん紛らわしいのは電気の向きで、蓄電池から見るか、電力会社から見るかで逆になります。この連載では、次の言葉を使います。

表0|この連載の言葉(早見表)
言葉意味
放電=逆潮流=受電側=発電側蓄電所から系統へ電気を流す向き。電力会社から見ると「受電」。この向きの契約が発電量調整供給契約
充電=順潮流=供給側=需要側系統から蓄電所へ電気を受ける向き。電力会社から見ると「供給」。この向きの契約が接続供給契約(会社によっては小売電気事業者を通して申し込む)
高圧/特別高圧(特高)高圧は配電線(6,600V)につなぐ区分で、おおむね2,000kW未満。特高はそれより大きく、送電線や変電所につなぐ
工事費負担金電力会社が線や設備を工事する費用のうち、申し込んだ人が持つ分
保証金契約申込みのときに預けるお金。系統用蓄電池は工事費負担金概算(税込)の10%(2026年4月1日以降の申込みから)で、あとで負担金に充てる。負担金契約の前に、負担金の増加や工期の延びなどで取り下げたときは返り、それ以外は没収
精算工事が終わってから実費で差額を追加請求するか、払い戻すこと
使用権原土地を使う権利(所有権や賃借権)。それを示す書類は登記簿や賃貸借契約書の写し
発電契約者発電側の契約の名義人。売主の会社のことが多い
ノンファーム型接続混雑したときに無補償で出力を止められることを条件に、線の増強を待たずにつなぐ方式
再給電方式・基幹系統・ローカル系統再給電方式は、混雑したときに電力会社が出力を止める順番のルール。基幹系統は上位の送電線、ローカル系統はその下の線
バンク逆潮流対策変電所の変圧器(バンク)を、電気が逆向き(下から上)に流れるときの対策
架空線/地中線電柱で引く線/地中に埋める線
PCSパワーコンディショナ。蓄電池の直流と系統の交流を変換する装置
一括検討特別高圧の系統(高圧とつなぐ変圧器を含む)の工事の負担金を、共同で持つ申込者を募る手続き。始まると、手元の回答書では契約申込みを受け付けてもらえず、一括検討への応募で進める
熱容量線や変圧器が、熱で傷まずに流し続けられる電気の上限
短絡電流事故のときに流れる大きな電流。遮断器が切れる大きさを超えると、取替えなどの対策が要る
潮流・潮流実績線や変圧器を流れる電気の量と、その過去の記録。混み具合を見る材料
亘長(こうちょう)線の長さ
電源線発電所(蓄電所)を系統につなぐための線
整定値保護装置が動く設定値
揚水特措蓄電池が充電した電気と、それ以外の電気を分けて量る特別な扱い。計量器が増えることがある
FIT・FIP/非FIT・非FIP国の買取制度(固定価格・上乗せ)に乗る電源かどうか。系統用蓄電池は非FIT・非FIP
受給契約東京電力PGの回答書の言い方で、放電側の契約(発電量調整供給契約など)の申込みを指す
給電申合書連系したあとの運転や連絡のしかたを、電力会社と取り決める書類
当社の束当社に売却や紹介で来た案件の回答書・承諾を読んで数えた範囲。市場の平均ではない

流れの中で、回答書はどこにある紙か

事前相談が済んだあと、運転開始までは5段あります。回答書は①の出口の紙です。

① 接続検討申込み → 受付→ 回答書(原則3か月)届く紙接続検討回答書+注意事項説明書ここで確定するものなし(約束ではない)② 契約申込み発電側と需要側を同時に出す → 受付届く紙保証金の請求書→ 入金 → 受付の通知ここで確定するもの席の順番(連系予約)③ 連系承諾技術検討(原則6か月)→ 承諾の通知届く紙契約申込みの回答(承諾)=様式PP3ここで確定するもの契約の成立・系統容量④ 承諾後の3つの期限1か月:負担金契約2か月:使用権原(非FIT等)期日:入金届く紙工事費負担金契約書請求書ここで確定するもの入金で工期が始まる⑤ 工事 → 連系用地交渉・作業停止調整→ 給電申合書 → 連系届く紙給電申合書精算の請求か払戻しここで確定するもの運転開始・精算の額この連載は、ここの紙回答日から1年以内に契約申込みへ(有効期限)受付日から原則6か月(技術検討)承諾の日から 1か月・2か月・入金期日工事費負担金の入金後 ●年●ヶ月(回答書の工期)工期は回答日からではなく、入金の日から数える。契約手続きの期間は入っていない(広域機関 記載例 AP8)
図1|事前相談のあと、運転開始までの5段。届く紙と、その段で確定するもの。回答書は①の出口にあり、系統の席はまだない。回答の期限は原則3か月(高圧で500kW未満の逆変換装置は2か月)。使用権原の2か月は、非FIT・非FIPで2026年10月1日以降に受け付けた契約申込みから。

回答書は入口の紙で、この時点では系統の席はまだありません。席は、契約申込みの受付で順番が付き(連系予約)、連系承諾で確定します。承諾の日から、1か月以内の工事費負担金契約、2か月以内の土地の使用権原の書類、期日までの入金という3つの時計が動きます。(2か月の書類は、非FIT・非FIPで、2026年10月1日以降に契約申込みが受け付けられた案件から。広域機関「系統アクセスの流れ」2026年9月版。)そして回答書の工期は、入金の日から数えます。だから連系予定日は、回答書の工期に契約手続きの期間を足して、自分で組み直すことになります。

この流れの骨格は広域機関の規程(送配電等業務指針)で決まっていて、どの電力会社でも同じです。会社で違うのは、紙の呼び名と別紙の付け方、負担金と工期の水準、そして接続検討数の上限や入金期限などの運用です。紙は入口編から承諾編で、水準と運用は数字編で書きます。

回答書は、3つの紙でできている

届くPDFは、表紙(様式AP7)、別添の接続検討回答書(高圧はAP8、特別高圧はAK7)、別添の注意事項説明書(様式AP9)の3つでできています。3つとも広域機関の共通様式で、当社が読んだ回答書(北海道と沖縄を除く8つの管区)は、すべてこの様式番号でした。当社が最初に見る6か所は、別添の回答書に5つあり、6つ目は注意事項説明書と、別添の「4. 今後の手続」にまたがります。

表紙様式AP7接続検討申込みに対する回答について受付番号 ○○-○○○受付日 2026年○月○日回答日 2026年○月○日申込者 ○○株式会社別添:接続検討回答書別添:注意事項説明書回答日 → 有効期限1年の起点別添 接続検討回答書高圧AP8/特高AK7申込内容放電kW・充電kW(最大自家消費電力など)・希望日13.(1) 連系可否可/否、但し書き、包含の1文、主な設備名23.(2) 系統連系工事の概要連系点、工事概要図、連系点・ルートの選定理由33.(3) 概算工事費・工事費負担金総額と内訳(架空線/地中線/変電/上位系統…)43.(4) 所要工期「工事費負担金の入金後 ●年●ヶ月程度」53.(5) 申込者に必要な対策適合表(高圧19項目・特高23項目)○3.(6) 前提条件検討対象年度と断面、代わりに使ったデータ△3.(7) 運用上の制約作業停止時の抑制、再給電方式、ノンファームの抑制○3.(8) その他充電側の契約の値、市場参加の容認、国の議論○4. 今後の手続有効期限1年(回答日の翌日から)、保証金、一括検討6各ページの下端:「秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します」注意事項説明書様式AP966項目(どの会社もほぼ同じ文)1 連系の約束ではない2 順位は受付で、席は承諾で3 机上検討。現地調査で変わる4 変更があれば再検討5 土地・設備の手配は1〜4を承知で6 守秘(目的外利用・漏えいの禁止)=そのあと起きることの予告当社が最初に見る6か所1充電kWと機器が、資料と同じか2「可」の但し書きと、検討の範囲3連系点は最寄りか、新設線か4内訳のどの行に金額があるか5工期は入金後。契約手続きは別6約束でない・変わる・守秘・期限1年○=契約と見積に効く △=背景3つの紙はどの電力会社でも広域機関の共通様式。一度読み方を覚えれば、ほかの会社の回答書も読める
図2|回答書の見取り図。表紙・別添・注意事項説明書の3つの紙と、当社が最初に見る6か所(金の数字)。○は契約と見積に効く行、△は背景。有効期限1年は、注意事項説明書ではなく別添の「4. 今後の手続」に書かれる。
見本1表紙接続検討申込みに対する回答について(様式AP7)

2026年3月10日A

○○株式会社 ○○部長 殿

○○電力送配電株式会社 ○○部長

接続検討申込みに対する回答についてB

貴社による接続検討申込み(2025年12月15日受付:受付番号○○○○C)に対して、接続検討が完了しましたので、別添●「接続検討回答書」のとおりご回答いたします。なお、本検討結果に係る貴社の事業性評価や発電事業に必要な土地や発電設備の手配等にあたっては、別添●「注意事項説明書」の記載事項を踏まえたうえで、ご検討下さい。D

文言は広域機関の様式AP7-20240410から。日付・受付番号・会社名は架空です。会社によって、送付状が別に付いたり、表紙の書き方が少し違ったりします。

会社で違うのは、送付状、別紙の付け方(東北は概算工事費を別紙に出す)、工期の時計の本数(東京は2本)、言葉(放電・充電と書くか、受電・供給と書くか)、注意事項の書き足しくらいです。だから一度読み方を覚えれば、ほかの会社の回答書も読めます。会社でばらつくのは、次の連系承諾のほうです。

何が書いてあるか、どこを見るか

様式の順に、何が書いてあるかと、素人が読むときにここを見る、という2列で並べます。重さは3段です。

◎ 買うか進めるかの判断が変わる ○ 契約と見積に効く △ 背景。読む順は ◎→○→△ で、様式の順ではありません。

表1|接続検討回答書の中身と、見る所(様式の順)
場所重さ何が書いてあるかここを見る
表紙(様式AP7)○回答日、宛名(申込者)、件名、接続検討の受付日と受付番号回答日。翌日から1年が有効期限なので、残り日数を数える。件名が「接続検討申込みに対する回答」であること(「契約申込みに対する回答」なら別の紙)
申込内容◎最大受電電力(放電kW)、括弧書きの充電kW(多くの回答書は「最大自家消費電力」、2026年10月版の記載例は「系統からの最大供給電力」)、運用開始希望日。蓄電池・PCSは別紙に出る会社もある充電kWの値が、売主の資料や見積の構成と同じか。機器の種類・出力は接続検討申込書の控えで突き合わせる。違えば再検討の対象で、回答書の値のほうが古い
接続検討結果 (1) 連系可否◎可/否、但し書き、「逆潮流(受電)側と順潮流(供給)側を包含した検討結果」の1文、ノンファーム型接続の適用、出力制御量に影響を与える主な設備名、基幹系統の再給電方式「可」の横の但し書き(対策が前提)。包含の1文があれば充電側も見た回答。「ノンファーム型接続適用により、系統に連系が可能となります」の文と、主な設備名の欄
(2) 系統連系工事の概要◎連系点、工事概要図、連系点・ルートの選定理由、工事が要る理由選定理由が「最も近い」線か、最寄りでない理由(経済性で比べた、架空線が難しいので地中線など)が書かれているか。工事の理由に「順潮流」「充電」の語があるか。変電所からの新設線か
(3) 概算工事費及び工事費負担金◎総額、内訳(架空線/地中線/バンク逆潮流対策/通信/計量/その他〔上位系統工事:送電・変電〕/一般負担の上限額超過分)、算定根拠総額の前に内訳の行。「上位系統工事」「変電設備工事」「地中線工事」に金額が入っていれば高額で年単位。架空線+計量+通信だけなら標準形。税抜か税込か
(4) 所要工期◎「工事費負担金の入金後 ●年●ヶ月程度」、概略工程表、契約手続の期間は含まない旨「入金後」の語と月数。東京は「受給契約申込後」の時計も。「希望日には連系不可」「調整が必要」の文の有無。工程表でいちばん長い工程
(5) 申込者に必要な対策○適合表(高圧の記載例は19項目、特高は23項目。会社の書式でさらに違う):電気方式・受電電圧、力率、電力品質対策、保護装置、保安通信用電話設備、給電情報伝送装置、FRT要件、発電出力の抑制機能など。未提出データの指示「不適」や「提出要」になっている項目。通信装置・出力制御の機器・保護装置は見積に乗る。未提出データの行があれば、連系の実施の段までに出す
(6) 前提条件△検討対象年度、検討した断面(高圧の記載例は放電側:軽負荷時・重負荷時、充電側:重負荷時。特高は放電側が軽負荷時のみ)、代わりに使ったデータ。検討は先に申し込まれた契約申込みを前提にする(系統アクセスの流れ)他の人の申込みで結果が変わる、という根拠。読んでおけばよい
(7) 運用上の制約○制約の有無、作業停止時の抑制・停止、基幹系統の再給電方式、ノンファーム型接続の適用に係る抑制(潮流実績、設備停止作業の日数・頻度)。特高の記載例には充電制限(上限の目安は1日12時間)の想定潮流も作業停止で止められる日数の目安。充電制限の有無。停止作業の日数・頻度の表
(8) その他○接続供給契約(充電側)の申込内容が違えば変わる旨、審議会の結論で対策工事が変わりうる旨、容量市場・需給調整市場に参加できない場合の容認、揚水特措の計量器充電側の申込みを回答書と同じ値で出すこと。市場参加の容認は収益の前提に効く
4. 今後の手続◎契約申込みの条件(対策の具備、保証金)、承諾後2か月以内の使用権原の書類、申込みを受け付けない場合(一括検討の対象・回答日から1年の経過)、一括検討の申込み有効期限はここに書かれる。回答日の翌日から1年。保証金は概算負担金の10%(2026年4月以降の申込み)
別添・別紙△工事概要図、概略工程表、適合表、会社によって概算工事費の別紙工程表は◎の工期の中身。工事概要図で連系点の位置
注意事項説明書(様式AP9)◎6項目約束ではない、机上検討で変わる、再検討の条件、守秘。次の節で1項目ずつ

広域機関の記載例(AP8-202610・AK7-202610)と注意事項説明書(AP9-20230703)の項目による。特別高圧(AK7)は同じ並びで、送電経路図や、充電制限の想定潮流のグラフが付くなど分量が多くなる。

注意事項説明書の6項目は、「そのあと起きること」の予告

回答書には別添で「注意事項説明書」(様式AP9)が付きます。6項目は広域機関の共通様式の文で、読み飛ばされがちな紙です。けれど6項目のそれぞれが、回答のあとに起きることを先に言っています。カードの上の段が原文の要点、下の段が当社の読み方です。

第1項
連系の約束ではない
「当社は、「接続検討回答書」…によって、系統連系をお約束するものではありません」
連系するには契約申込みが要り、申込みには「申込者に必要な対策」がそろっている必要があります。回答書は入口の紙。
第2項
順位は受付で、席は承諾で
「契約申込みの受付けをもって、系統連系に関する優先順位を設定し、…連系承諾をもって、連系予約を確定いたします」
回答書を持っているだけでは、席は取れていません。
第3項
机上検討。現地で変わる
「…机上検討した結果であり、契約申込み後の詳細な現地調査、用地交渉及び作業停止調整の結果等により、工事費負担金及び所要工期が変更となる可能性があります」
「用地交渉」は電力会社側が線を通す土地の話です。
第4項
変われば、再検討
「接続検討の申込みの内容を変更する場合や接続検討の前提となる事実関係に変更があった場合には、再度、接続検討が必要となる場合があります」
どんな変更が当たるかは、広域機関の「契約申込み後の軽微な変更の典型例」などで判定されます。買う人は、売主の資料にある機器や出力が、回答書の申込内容と同じかを確かめます。
第5項
土地と機器の手配は、承知のうえで
「発電事業に必要な土地や発電設備の手配等にあたっては、上記の事項を踏まえたうえで、ご検討下さい」
回答書の数字を根拠に土地を買う・機器を発注するのは、1〜4を承知のうえで、という念押し。買う人には、売主が回答書だけを根拠に土地代や機器の前払いをしていないか、という問いになります。
第6項
守秘
「本回答書に基づき知りえた情報についての目的外利用、第三者への漏えい等を禁止します」
漏えいした場合は損害賠償の可能性。各ページにも「秘密情報」の一行があります。売主が買い手候補にそのまま渡してよいかは、この条項の問題です。

当社が読んだ回答書では、この6項目は8つの管区のどの注意事項説明書にもありました。有効期限を注意事項の特記事項にも書いているのは九州と関西です。東京はノンファーム型接続の同意書の提出を、東北は標準的な単価の参照先と、撤去資材の残存価額は精算時に確定することを書き足しています。九州は、用地が確保できずに辞退した場合に保証金を原則没収することも書いています。

6か所を、1行ずつ

読み方編で1つずつ詳しく書きますが、まず1行ずつ。

1

申込内容:充電kWと機器が、売主の資料と同じか

放電の出力(最大受電電力)だけでなく、括弧書きの充電の電力(多くの回答書では「最大自家消費電力」)と、機器の種類・出力を見ます。資料と違えば再検討の種で、回答書の値のほうが古いことになります。

2

連系可否:「可」の横の但し書きと、検討範囲の1文

「可」は対策が前提の条件付きです。「逆潮流(受電)側と順潮流(供給)側を包含」の1文は、放電だけでなく充電も見た、という宣言です。無料の事前相談にはこれがありません。

3

工事の概要:連系点は最寄りか、変電所からの新設線か

選定理由の欄に、最も近い線に入るのか、最寄りでないならその理由(経済性で比べた、架空線が難しいので地中線など)が書かれます。新設線や上位系統の工事が付くと、負担金は桁が変わることがあり、工期は年単位で変わります。

4

負担金の内訳:総額の前に、行を見る

変電設備・地中線・上位系統工事の行に金額があれば、年単位の工事になり、精算でも動きやすくなります。

5

工期の起算点:回答日からではない

「工事費負担金の入金後 ●年●ヶ月」です。契約申込み、技術検討(原則6か月)、承諾、負担金契約、入金を足して、連系予定日を自分で組み直します。

6

注意事項説明書と有効期限:約束ではない・変わる・守秘・1年

上の6枚のカードと、本文「4. 今後の手続」の有効期限です。負担金の数字と期限の性格を決めている紙です。

この連載の読み方

COLUMN 51
入口編
回答書は、どこにある紙か
いま読んでいる本
COLUMN 51-2
読み方編
6か所を、当社はこう読む。文面の見本つき
COLUMN 51-3
承諾編
連系承諾で確定するもの、動くもの。承諾の文面の見本つき
COLUMN 51-4
数字編
全国統計と、当社が読んだ束

よくある質問

接続検討回答書があれば、系統に連系できますか?

いいえ。回答書は机上検討の結果で、別添の注意事項説明書に「系統連系をお約束するものではありません」と書かれています。系統の席(連系予約)は契約申込みの受付で順番が付き、連系承諾で確定します。回答書を持っているだけでは、まだ席は取れていません。

接続検討回答書の有効期限はいつまでですか?

回答日の翌日から1年です(送配電等業務指針第89条第1項第6号)。1年の中に契約申込みの「受付」まで進む必要があり、受付は申込書類に不備がなく保証金の入金が確認された日です。過ぎれば接続検討のやり直しになります。九州電力送配電は、保証金の入金期限もこの有効期限の日としています。

回答書の所要工期は、回答日から数えればよいですか?

いいえ。「工事費負担金の入金後 ●年●ヶ月程度」と書かれていて、入金の日から数えます。広域機関の記載例には、契約手続(契約申込み~技術検討~連系承諾~工事費負担金契約~入金)の期間は含まれていない、と注記があります。技術検討は受付から原則6か月、工事費負担金契約は承諾から1か月以内です(送配電等業務指針第98条・第103条)。連系予定日は、これらを足して自分で組み直します。

参考にした一次資料と、関連する記事

手続きと様式

有効期限・優先順位・保証金

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当社の集計は、当社に売却や紹介で来た案件の接続検討回答書・連系承諾を読んで数えた範囲の観測です。地点・社名・個別の金額は出していません。

この記事の監修
中島 晋也(サイエンスエックス株式会社 代表取締役・工学博士)

系統用蓄電池の案件を仕入れて売る実務に基づいて執筆・監修しています。接続検討回答書・連系承諾の読み方は広域機関と一般送配電事業者の公開資料によるもので、当社の集計は当社に来た案件の範囲の観測です。公表統計ではありません。本稿の誤りのご指摘は s@scix.co.jp まで。