入口編で、回答書が3つの紙でできていて、当社が最初に見る6か所がどこにあるかを見取り図にしました。この回では、その6か所を1つずつ読みます。言葉は入口編の早見表にまとめました。順番は当社が実際に見る順です。件名で紙を見分けてから、申込内容、連系可否、工事の概要、負担金の内訳、工期、注意事項説明書。最後に、○の行(申込者に必要な対策・運用上の制約)と、買う人が売主に求めるもののチェックリストを置きます。

この記事の内容
まず、件名で紙を見分ける 6か所を、1つずつ ① 申込内容:充電kWと機器が、資料と同じか ② 連系可否:「可」の横の但し書きと、検討範囲の1文 ③ 工事の概要:連系点は最寄りか、変電所からの新設線か ④ 負担金の内訳:総額の前に、行を見る ⑤ 工期の起算点:回答日からではない ⑥ 有効期限(本文4.)と守秘(注意事項説明書) ○の行も、同じ流れで見る 事例:総額は約4倍、連系予定日は1年4か月違う2通 買う人が売主に求めるもの よくある質問

まず、件名で紙を見分ける

「回答書あり」と言われて届くPDFには、2種類あります。接続検討の回答書と、契約申込みの回答(連系承諾)です。見た目が似ていて、承諾の本文の見出しも「接続検討結果」のままのことがあるので、表紙の件名で決めてから読みます。

様式 AP7接続検討申込みに対する回答について受付番号・受付日・回答日別添:接続検討回答書(AP8/AK7)別添:注意事項説明書(AP9)→ 机上検討。約束ではない接続検討回答書様式 PP3発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)契約申込みの申込日・受付日・承諾日承諾の一文と、容量確定の一文別紙:工事概要・負担金・工期・検討結果…→ 契約の成立。ここから期限が動く連系承諾見た目が似ていて、承諾の本文の見出しも「接続検討結果」のままのことがある。件名で決めてから読む
図1|件名で見分ける。左が接続検討回答書(様式AP7)、右が連系承諾(様式PP3)。右は契約の成立を知らせる紙で、読み方は承諾編に。

この回で読むのは左の紙です。右の紙が届いている案件は、席(連系予約)が確定した案件で、値段の階段が1段上がります。両方ある案件は、左で系統の条件を、右で権利の状態を見ます。

題名は全部で7種類ほどあります。表紙の題と、様式番号の対応を表にしました。様式番号は表紙の右上か左上に小さく書かれています。

表1|表紙の題(件名)で、何の紙かを決める
様式表紙の題何の紙か読む回
CK3事前相談に対する回答書(高圧)/(特別高圧)無料の事前相談の回答。変圧器などの熱容量から簡易に見た結果で、工事・負担金・工期は書かれないこの回の②
AP7
AP8・AK7
AP9
接続検討申込みに対する回答について(別添「接続検討回答書」と「注意事項説明書」)接続検討の回答。この回で読む紙この回
APy3接続検討の要否確認依頼に対する結果について最大受電電力が変わらない・減るとき、受電設備や保護装置などを変えるときに、接続検討をやり直す必要があるかの確認結果COLUMN 06
PP3発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)。中部は「契約申込みに対する回答書」、東北は「系統連系承諾書」など連系承諾。契約が成立し、系統の席が確定する承諾編
PP4発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾不可)承諾されなかった。理由は別紙承諾編
会社の書式技術検討回答書(九州)契約申込みのあとの技術検討で、接続検討から内容が変わったときだけ先に届く紙承諾編
LP3需要設備に関する契約申込みの回答について充電側(需要側)の契約申込みへの回答承諾編

様式番号は広域機関「系統アクセス手続きで用いる様式集」による。会社によって自社の書式と題を使う。

ここから先は、6か所ごとに回答書の文面の見本を置きます。文言は広域機関が公開している記載例のもので、名称と数字は架空です。見本の金の丸の英字(A、B…)が付いた所が、当社が読む所です。その下の表は、同じ欄に別の書き方が来たときの読み方です。

6か所を、1つずつ

1

申込内容:充電kWと機器が、資料と同じか

回答書の最初の欄は、電力会社が「何について検討したか」です。最大受電電力は放電の出力kW、その横の括弧書き(多くの回答書は「最大自家消費電力」、2026年10月版の記載例は「系統からの最大供給電力」)は充電の電力kW。買う人は放電kWだけを見がちですが、対策工事を決めるのは充電側のことがあります。このkWと、接続検討申込書に書いた蓄電池とPCSの種類・出力が、売主の資料や見積の構成と同じかを見ます。

蓄電所最大受電電力=放電kW最大自家消費電力=充電kW電力会社の系統配電線・変電所放電(逆潮流・受電側)充電(順潮流・供給側)事前相談(無料)変圧器の熱容量から簡易に評価。充電側の記載なし接続検討回答書「逆潮流(受電)側と順潮流(供給)側を包含」の1文がある
図2|蓄電池は、放電(逆潮流・受電側)と充電(順潮流・供給側)の両方向に電気が流れる。回答書はその両方を見た結果。

違っていれば、注意事項説明書の第4項(内容が変われば再検討)の対象で、回答書の値のほうが古い。機器のメーカー・型式の変更は「接続検討の要否確認」という手続きで済むこともありますが、充電電力を変えると接続検討のやり直し(再度の接続検討)になりえます(COLUMN 06)。

見本1申込内容の欄接続検討回答書(別添)2.・3.(8)

2.接続検討の申込内容

発電者の名称○○蓄電所
発電場所(住所)○○県○○市○○町○○番
最大受電電力1,990kWA(系統からの最大供給電力:1,990kW)B
アクセス設備の運用開始希望日2028年4月1日C
(中略)

(8)その他

・…本回答書は、接続検討申込書の最大受電電力(受電側)及び最小受電電力(供給側)から充放電両面を考慮した検討結果のため、接続供給契約の申込内容が今回検討した条件から異なる場合は、本回答書の工事概要や工事費負担金、所要工期が変更となる可能性があります。D

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します ○○株式会社

文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。記載例の申込内容は、名称・場所・最大受電電力・運用開始希望日の4行です。蓄電池やPCSの型式は本文に出ないことが多く、出るときは別紙です(当社が読んだ中部の回答書では、逆変換装置の定格出力と台数)。出ていなければ、接続検討申込書の控えで突き合わせます。

申込内容の欄に、こう書いてあったら
回答書の書き方「最大受電電力 1,990kW(系統からの最大供給電力:1,990kW)」
意味放電も充電も同じ大きさで検討した回答。いちばん多い形
次にすること売主の資料と、EPC(建設会社)の見積の充電kWが同じか
回答書の書き方「最大受電電力 1,990kW(最大自家消費電力:1,990kW)」。東京・九州は「最大自家用消費電力」
意味2026年10月より前の書式での充電kW。いま手元にある回答書の多くはこの形
次にすること「系統からの最大供給電力」と同じ意味で読む
回答書の書き方(特別高圧・四国)「放電側:1,990kW、充電側:1,990kW」
意味放電と充電を並べて書く会社もある
次にすること同じく、充電側の値を資料と突き合わせる
回答書の書き方充電の値が放電より小さい(例:放電1,990kW・充電1,000kW)
意味充電を絞って申し込んだ回答。充電側の対策工事を軽くするための設計のことがある
次にすること運用の計画(何時間で満充電にするか)と合うか。あとで充電を上げると接続検討のやり直しになりうる
回答書の書き方申込書の控えと違う値が書いてある
意味電力会社と協議して条件を変えて検討した(記載例の注記にある扱い)か、申込みのあとで変えた
次にすること変えた理由と、そのときのやり取りの記録を売主に求める
2

連系可否:「可」の横の但し書きと、検討範囲の1文

連系可否は「可」か「否」ですが、「可」の横に「(※但し、「(5)申込者に必要な対策」が必要となります)」と付きます。対策は、電気方式・力率・保護装置・FRT要件・保安通信用電話設備・給電情報伝送装置・発電出力の抑制機能など、高圧の記載例で19項目(特高の記載例は23項目、会社の書式でさらに違う)の適合表で、契約申込みの前提です。機器の見積に直結します。

同じ欄に、「本回答は、蓄電池連系における逆潮流(受電)側と順潮流(供給)側を包含した検討結果となります」という1文があります。放電だけでなく充電も見た、という宣言です。無料の事前相談にはこれがありません。事前相談の回答は「配電用変圧器…の熱容量から簡易的に評価した結果」で、充電側を検討したとは書かれていません。事前相談で「制限なし」でも、回答書で充電側の対策工事が付くのは、この違いからです。会社で言葉が違い、放電・充電と書く会社と、受電・供給と書く会社があります。

「ノンファーム型接続適用により、系統に連系が可能となります」の文もここにあります。混雑時に無補償で出力を止められることを受け入れて、増強を待たずにつなぐ方式です。当社の束では、約9割の回答書に付いていました。収益の前提なので、運用上の制約の行とあわせて見ます。

見本2連系可否の欄接続検討回答書(別添)3.(1)

3.接続検討結果

(1)希望受電電力に対する連系可否

本回答は、蓄電池連系における逆潮流(受電)側と順潮流(供給)側を包含した検討結果となります。A

(a) 連系可否:可 (※但し、「(5)申込者に必要な対策」が必要となります)B

・系統混雑時において発電設備等を出力制御していただくことを前提としたノンファーム型接続適用により、系統に連系が可能となります。このため、系統混雑時の無補償での出力制御(オンライン制御)にあたり、貴社負担で必要な出力制御機器(通信装置含む)を導入していただきます。C

(中略)

出力制御量に影響を与える主な設備名:275kV○○線D

貴社の発電設備に関しては、基幹系統設備の混雑に対する再給電方式(一定の順序)による混雑管理が適用されます。E

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します ○○株式会社

文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。

比べるために、無料の事前相談の回答も見本にします。同じ「連系できるか」でも、見ている範囲が違います。

見本3事前相談の回答事前相談に対する回答書(高圧)3.

事前相談に対する回答書(高圧)

3.回答内容

熱容量に起因する連系制限の有無最大受電電力に対する[連系制限なし]F
バンク逆潮流の発生に伴う連系制限の有無最大受電電力に対する[連系制限なし]
連系点(想定)電柱番号 ○○ ▲号柱 電圧 6kV
連系点(想定)から連系予定変電所までの既設配電線路亘長約2kmG

<注意事項>

・本回答は、連系を予定する配電用変電所における配電用変圧器(…)の熱容量から簡易的に評価した結果であり、接続検討では、本回答と異なる結果となる可能性があります。H

・連系に必要な工事の内容、工期等の検討は接続検討において行います。

文言は広域機関の記載例(様式CK3 高圧-202507)から。地名・数字は架空です。

連系可否の欄に、こう書いてあったら
回答書の書き方「可(※但し、「(5)申込者に必要な対策」が必要となります)」
意味条件付きの可。対策をそろえて申込みができる
次にすること(5)で「不適」や「提出要」の項目を拾い、見積に入っているかを見る
回答書の書き方「逆潮流(放電)側と順潮流(充電)側を包含」(四国)、「逆潮流(受電)側:軽負荷時及び重負荷時、順潮流(供給)側:重負荷時」と「充放電両面を考慮」(東京)
意味言い方は違うが、どれも充電側も見た、という宣言
次にすること見本2のAと同じに読む
回答書の書き方古い特別高圧の回答書に「蓄電池への充電(供給側)については考慮しておりません」
意味充電側を見ていない回答
次にすること充電側の検討は別に要る。充電側の工事や制限が後から付くものとして値段を考える
回答書の書き方「否」と、否とする理由「申込者が連系に必要な配電用変電所(配電塔)の増強を希望していないため」
意味申込書で「増強を希望しない」を選んだ結果
次にすること増強を希望して出し直せば可になりうる。負担金と工期は増える
回答書の書き方「否」と、「連系に必要な工事費負担金額が、申込者が提示した負担可能上限額を超過するため」
意味申込書に書いた負担できる上限を超えた。工事費負担金の概算額が書かれることもある
次にすること上限を上げて出し直すか、出力を下げるか。この回答書では申込みに進めない
回答書の書き方「出力制御量に影響を与える主な設備名:275kV○○線」
意味その設備が混むと、無補償で止められる
次にすること潮流実績と作業停止の日数を見る(○の行)。当社の束では約半数に設備名がある
回答書の書き方「出力制御量に影響を与える主な設備名:対象なし」
意味今の時点では、止められる原因になる設備が無い
次にすること将来の申込みで変わりうる。当社の束では2割弱で、東京に多い
回答書の書き方事前相談の「[連系制限なし]」だけがある
意味変圧器の熱容量で見た簡易な評価。充電側を検討したとは書かれていない
次にすること接続検討の回答書が来るまで、負担金と工期は分からないと読む
3

工事の概要:連系点は最寄りか、変電所からの新設線か

「系統連系工事の概要」には、どの変電所・どの線につなぐか、工事概要図、そして「連系点・送電線ルートの選定理由」が書かれます。記載例の選定理由は、最も近い配電線に入る、最寄りでなければ経済性で比べて選んだ、景観法の区域を避けた、架空線が難しいので地中線にした、といった形です(見本4と下の表)。

道路沿いの配電線(既設)蓄電所の土地最寄りの線に入る(8割)変電所数km先最寄りが容量不足 → 変電所から新設線回答書3.(2)「連系点・送電線ルートの選定理由」「最も近い」線か、最寄りでない理由(経済性、架空線が困難で地中線など)が書かれる新設線や上位系統(変電所・送電線)の工事が付くと、負担金は上がり、工期は年単位になる
図3|最寄りの線に入るのか、容量不足で変電所から新設線を引くのか。当社の束では8割が「最寄り・最低コスト」、最寄りが容量不足だった回答は6%。

工事が要る理由の欄には、バンク逆潮流対策(変電所の変圧器を電気が逆向きに流れることへの対策)、熱容量、短絡電流、そして「蓄電池の順潮流対策」が並びます。ここに「順潮流」「充電」の語があれば、充電側が原因の工事です。変電所からの新設線が理由なら、出力を下げて既設線に入れる余地があるかを電力会社に聞く価値があります。余地がある例は多くありませんが、充電側の対策が付いた回答では、充電kWを下げると順潮流の対策が要らなくなることがあるので、聞いてみる所です。

見本4工事の概要の欄接続検討回答書(別添)3.(2)

(2)系統連系工事の概要(工事費負担金工事以外も含めた全ての工事)

(a) 工事概要図

連系方法:6kV○○線 ○○号柱より分岐し、貴社発電所の構内柱と接続する。A

(別の回答書の書き方)連系方法:○○変電所に新設する6kV○○線より、貴社発電所の構内柱と接続する。B

(b) 連系点・送電線ルートの選定理由:

・近傍に存在する送電系統のうち、貴社受電設備に最も近く連系が可能な6kV○○線での架空線連系といたします。C

(c) 工事の必要性と設備規模:

(別の回答書の書き方)・貴社連系による順潮流により設備健全時に、○○変電所○号変圧器(○○kV○○線)の設備容量(熱容量)を超過するため、○○変電所○号変圧器(○○線)の増強工事(○○MVA→○○MVA)が必要となります。D

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します ○○株式会社

文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。

工事の概要の欄に、こう書いてあったら
回答書の書き方「○○号柱より分岐し、貴社発電所の構内柱と接続する」
意味近くの既設の線から枝分かれ。標準形
次にすること負担金の内訳が架空線・計量・通信だけになっているか
回答書の書き方「○○変電所に新設する6kV○○線より」
意味変電所から専用の線を引く
次にすること線の長さと、工程表の用地交渉の行。承諾や精算で動きやすい
回答書の書き方「近傍に存在する当社系統のうち、最も低コストで連系が可能である○○線への連系といたします」(東京)、「保守および保安に支障のない範囲で、最も経済的に連系可能である○○配電線」(関西)
意味最寄り・最低コストの、会社ごとの言い方
次にすること見本4のCと同じ。追加で聞くことは少ない
回答書の書き方「○○線からの連系については、○○線の増強区間が○○km必要となります。…比較した結果、▲▲線への連系がより経済性に優位であるため」
意味最寄りの線は増強が要るので、比べて別の線にした
次にすること比べた2つの案の額を聞く価値がある
回答書の書き方「近い系統は○○線ですが、連系ルート上の電流値(熱容量)を超過するため、増強・延長の上で△△線へ」
意味最寄りの線は容量が足りないので、延ばして別の線へ。当社の束では6%
次にすること延長の距離と、その分の架空線・地中線の額
回答書の書き方「○○市○○整備計画・方針により電柱施設が困難であるため、…地中線連系といたします」、または「景観法による制限区域を回避する」
意味電柱を立てられない、または迂回が要る
次にすること負担金の地中線工事の行と、工期。道路の手続きで延びやすい
回答書の書き方「貴社連系による逆潮流により、○○変電所○号変圧器がバンク逆潮流…となるため、この対策として(電圧調整リレー取替・…)が必要」
意味変電所の変圧器を、電気が逆向きに流れることへの対策
次にすることバンク逆潮流対策の行と工期。事前相談の注意事項は「機器設置スペースの都合等により対策工事が実施できない場合」もあると書く
回答書の書き方「貴社連系による順潮流により…変圧器の増強工事(○○MVA→○○MVA)が必要」
意味充電側が原因の変電所工事。年単位
次にすること充電kWを下げる余地と、早期連系追加対策(充電制限)を使えるかを電力会社に聞く
回答書の書き方「貴社連系による順潮流により設備健全時に、○○変電所○号変圧器(○○kV○○線)の設備容量(熱容量)を超過するため、早期連系追加対策(充電制限)を適用しております」(特高の記載例)。あわせて、充電制限に同意しなければ増強工事と再度の接続検討が要りうる旨
意味増強を待たずにつなぐ代わりに、決められた時間帯は充電を止める。対象は高圧以上(広域機関の系統用蓄電池のルール)
次にすること制限の時間(上限の目安は1日12時間)と、それで収益が成り立つか。同意しなければ増強と再検討になる
回答書の書き方「順潮流によりN-1故障時に過負荷が生じることがあり、転送遮断装置が必要」(九州)、「N-1充電停止装置を設置」(四国・中国)
意味線の事故のときに、充電を自動で止める装置が要る
次にすること装置の費用と設置場所。記載例は、信号を受けて充電を止める盤は申込者が設置する、としている
回答書の書き方バンク逆潮流について「…対策工事は完了しております」(東京)
意味変電所の対策は先に済んでいる
次にすることバンク逆潮流対策の行と工期の心配は小さい
4

負担金の内訳:総額の前に、行を見る

工事費負担金は、総額の下に内訳の表があります。架空線工事/地中線工事/バンク逆潮流対策/通信設備工事/計量設備工事/その他(上位系統工事:送電・変電)/一般負担の上限額超過分。当社が見るのは総額ではなく、どの行に金額が入っているかです。

負担金の内訳の構成比(当社の束・金額の合計に占める割合)当社が読んだ接続検討回答書(最新版)架空線工事37%変電設備工事14%地中線工事5%通信設備工事5%計量設備工事2%その他1%バンク逆潮流対策ほぼ0(1割の回答書にある)上位系統工事(送電・変電)ほぼ0(金額の入った回答はほとんどない)内訳の行の中では、ほぼ全部の回答書にある架空線工事がいちばん大きい。変電設備工事は一部の回答書にだけあるが、入ると大きい。割合は各行の金額を合計に対して見たもので、行に割り振れない額があるため合計は100%にならない。
図4|負担金の内訳の構成比。行に割り振れた額では架空線工事が最大(37%)で、変電設備工事は入ると大きい(当社の束。高圧と特別高圧の両方。変電設備工事の行は特別高圧の様式と一部の会社の高圧の書式にある)。

架空線と計量・通信だけなら標準形です。変電設備・地中線・上位系統工事の行に金額が入っていれば、高額で年単位の工事になり、承諾や精算でも動きやすい。

税抜か税込かも確かめます。回答書3.(3)には、項目ごとの概算工事費を電力会社に求めるときは秘密保持誓約書が要る、と書かれています。

見本5負担金の欄(標準形)接続検討回答書(別添)3.(3)

(3)概算工事費及び工事費負担金概算

○概算工事費及び工事費負担金の総額(内訳を含む)

概算工事費の総額 6.8百万円(消費税等相当額0.6百万円を含む)A

工事費負担金の総額 6.2百万円(消費税等相当額0.6百万円を含む)B

設備区分工事費負担金概算
(百万円・消費税等相当額を除く)
概算工事費
(同)
架空線工事3.64.2
地中線工事--
バンク逆潮流対策--
通信設備工事0.90.9
計量設備工事1.11.1
その他(上位系統工事:送電)-C-
その他(上位系統工事:変電)--
一般負担の上限額超過分-D
総額(消費税等相当額を除く)5.66.2

※ 項目ごとの概算工事費の提示を求める場合は、秘密保持誓約書を提示していただく必要があります。E

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文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。特別高圧の様式(AK7)は、内訳の行が架空線・地中線・変電設備・給電設備・通信設備・計量設備・その他になります。

負担金の内訳に、こう書いてあったら
回答書の書き方架空線・通信設備・計量設備の行だけに金額があり、ほかは「-」
意味引込みの線と、出力制御の通信・計量器だけの標準形
次にすること同じ管区・同じ電圧の中央値の帯に入っているか(数字編の表1)
回答書の書き方地中線工事の行に金額がある
意味線を地中に埋める。高額で、道路の手続きで工期が延びやすい
次にすること③の選定理由(電柱が立てられない理由)と、承諾での動き
回答書の書き方バンク逆潮流対策の行に金額がある
意味変電所の機器の対策(電圧調整リレーの取替など)。当社の束では1割の回答書にある
次にすること額は小さいことが多いが、工期の行を見る
回答書の書き方「変電設備工事」(特別高圧の様式と、一部の会社の高圧の書式)や「その他(上位系統工事:変電)」に金額がある
意味変電所の変圧器の増強など。入ると大きい
次にすること③で原因が充電側(順潮流)かどうか。工程表で何か月か
回答書の書き方「一般負担の上限額超過分」に金額がある
意味電力会社が持つ上限(4.1万円/kW)を超えた
次にすること大きな増強が絡んでいる。総額が回答書と承諾でどう動くかを追う
回答書の書き方承諾の書類で「工事費負担金 ○,○○○,○○○円(材料費等…円、工費等…円)」のように円単位
意味承諾では円単位で、材料費と工費に分けて書く会社もある(中部の承諾の公開書式)
次にすること百万円単位の回答書と比べるときは、単位と税抜・税込をそろえる
5

工期の起算点:回答日からではない

所要工期は「工事費負担金の入金後 ●年●ヶ月程度」と書かれています。回答日からではありません。記載例には「所要工期には、契約手続(契約申込み~技術検討~連系承諾~工事費負担金契約~入金)に係る期間は含まれておりません」と注記があります。

回答書が届く回答日1年以内に申込み(受付)契約申込みへ原則6か月技術検討負担金契約 1か月承諾工期 ●年●ヶ月(入金後)入金連系× 回答日から「●年●ヶ月」と読むと、契約手続きの分だけ前倒しに見える○ 入金の日から数える(記載例:契約手続の期間は含まない)東京電力PGは時計を2本書く「受給契約申込後 ●年●ヶ月」と「入金後 ●年●ヶ月」。当社の束では前者の中央値は約17か月、後者は8か月。短いほうだけで読まない
図5|工期の時計は、入金の日から動く。契約申込み・技術検討・承諾・負担金契約・入金の期間は入っていない。東京電力PGは2本の時計を書く。

東京電力PGの回答書は、「受給契約申込後 ●年●ヶ月」と「入金後 ●年●ヶ月」の2本の時計を書きます。上位系統の対策工事がある回答書では前者が年単位になります。希望日には連系できないので時期の調整が必要だ、と回答書自身が書いている例もあります。当社の束では、その文がある回答は九州で約6割、関西で4割、中部で3割でした。希望日が守れないことを、回答書が先に言っています。

連系予定日は、この行から自分で組み直します。回答日から1年以内に契約申込み、受付から原則6か月の技術検討、承諾から1か月以内の負担金契約、入金、そして入金後の工期。売買の資料に写っている連系予定は、回答日起算のことが珍しくありません。

見本6所要工期の欄接続検討回答書(別添)3.(4)

(4)所要工期(発電設備等の運転に必要な設備の運用開始までに必要な期間)

工事費負担金の入金後 1年2ヶ月程度A

連系工事には1年2ヶ月必要となりアクセス線運転開始希望日には連系不可となりますので、連系時期の調整が必要となります。B

○概略工程表C

工事内容〜3か月〜6〜9〜12〜14
調査・設計
用地交渉
工事施工
通信設備工事
計量設備工事

※上記所要工期には、契約手続(契約申込み~技術検討~連系承諾~工事費負担金契約~入金)に係る期間は含まれておりません。D

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します ○○株式会社

文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。工程表の月数は架空です。

連系予定日を組み直す(見本6の工期で、回答日が2026年3月10日のとき)
回答日 2026年3月10日 → 契約申込みの受付 2026年6月(書類と保証金の入金がそろった日)→ 技術検討 原則6か月 → 連系承諾 2026年12月 → 工事費負担金契約 承諾から1か月以内 → 入金 2027年2月 → 工期1年2か月 → 連系 2028年4月ごろ。
回答日から「1年2か月」と読むと2027年5月になり、11か月早く見えます。受付まで3か月かけた想定で、受付が早ければ、そのぶん前に寄ります。
工期の欄に、こう書いてあったら
回答書の書き方「工事費負担金の入金後 ○年○ヶ月程度」
意味入金の日から数える。いちばん多い形
次にすること契約申込み・技術検討(6か月)・承諾・負担金契約(1か月)・入金の期間を足す
回答書の書き方「工事費負担金の入金後 ○ヶ月程度。なお、受給契約申込後からは ○ヶ月程度」(東京)
意味入金の前から始まる工事があるので、起点を2つ書いている
次にすること契約申込みから数えるほうで組む。入金後の短い月数だけで読まない
回答書の書き方「アクセス線工事 ○年/その他の工事 ○年○ヶ月」(東北)
意味工事ごとに工期を分けて書いている
次にすること長いほうが、連系できる日を決める
回答書の書き方「○○変電所増強工事完了後の連系」(九州)、「別の契約申込の完了後に工事開始」(中部)
意味起点が自分の入金ではなく、電力会社の別の工事や、先の申込みの工事の完了
次にすることその工事の完了予定を電力会社に聞く。連系予定日は自分では決められない
回答書の書き方「連系工事には○年○ヶ月必要となりアクセス線運転開始希望日には連系不可となりますので、連系時期の調整が必要となります」(記載例)。会社によって「延期が必要」「連系時期の変更が必要」
意味希望日には間に合わない
次にすること売買資料と事業計画の連系予定日を直す。当社の束では九州で約6割に付く
回答書の書き方工程表に「用地交渉」「環境影響調査」の行(特別高圧に多い)
意味電力会社側の線を通す土地の交渉。動きやすい工程
次にすること注意事項説明書の第3項(用地交渉で変わる)とあわせ、連系予定日に幅を持たせる
回答書の書き方工程表の最後が「計量設備工事」「通信設備工事」
意味機器の納期で工期が決まっている
次にすること承諾の工程表で、納期が変わっていないかを見る(承諾編)
回答書の書き方承諾の別紙で「工事費負担金入金後 ○週間」
意味小さな工事は週単位で書く会社がある(関西の公開書式)
次にすること同じく入金の日から数える
6

有効期限(本文4.)と守秘(注意事項説明書)

6項目は入口編で1枚ずつ書きました。ここでは、買う人が見落としやすい2点だけ補います。

有効期限は回答日の翌日から1年で、1年の中に契約申込みの「受付」まで進む必要があります。受付は、申込書類に不備がなく保証金の入金が確認された日です。残り日数が少ない回答書は、それだけで値段が変わります。

守秘。各ページに「秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します」とあり、注意事項説明書は目的外利用と第三者への漏えい等の禁止、漏えいした場合の損害賠償の可能性を書いています。売主が回答書を買い手候補にそのまま渡してよいかは、この条項の問題です。当社は電力会社の了解を取るか、墨消し版を使っています。

見本7有効期限と守秘接続検討回答書(別添)4.(1)・注意事項説明書 第6項

4.今後の手続について

(1)契約申込みについて

・契約申込みにあたっては、本回答書3(5)に記載する「申込者に必要な対策」等が具備されている必要があります。また、…保証金を支払う必要があります。A

・…連系承諾の通知後…、2か月以内に発電設備等を設置する用地の使用権原を証する書類…の提出が必要となります。B

※1 次のア~ウいずれかに該当する場合は、契約申込みを受け付けることができません。

ウ 接続検討の回答日から1年を経過した場合C

(別添「接続検討回答書」の注意事項説明書)

6.本回答書に含まれる内容は、守秘性の高い情報が含まれており、本回答書に基づき知りえた情報についての目的外利用、第三者への漏えい等を禁止します。…損害賠償の責任が発生する可能性があることにご留意ください。D

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します ○○株式会社

文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。注意事項説明書は様式AP9-20230703。

残り日数を数える(回答日が2026年3月10日のとき)
有効期限は2027年3月10日。この日までに契約申込みの「受付」まで進む必要があります。九州電力送配電は、有効期限日の2か月程度前までに申し込むよう案内していて、九州ならこの例では2027年1月上旬が申込みの目安です。ほかの会社でも、書類の確認と保証金の入金に日数がかかるので、期限の直前は避けます。
期限と守秘に関わる行に、こう書いてあったら
回答書の書き方注意事項説明書の特記事項に「本回答書の有効期限は、本回答書の右肩の回答日から1年間となります」(九州)、「本回答書の有効期限は1年間です」(関西)
意味本文の4.(1)と同じことを、注意事項にも書いている
次にすることどの会社でも回答日の翌日から1年。残り日数を数える
回答書の書き方九州の特記事項に、用地が確保できず辞退した場合は保証金を原則没収、契約申込み前までに地権者等との調整に努めること
意味土地が固まらないまま申し込むと、保証金を失いうる
次にすること申込みの前に、土地の契約か地権者の同意を固める
回答書の書き方(九州のQA集)「入金期限は、接続検討回答書の有効期限日(回答日から1年後の日)となります。」
意味受付には保証金の入金まで要り、その期限も同じ日
次にすること期限の近い回答書を買うなら、申込みの書類と保証金の段取りを先に決める
回答書の書き方各ページの下の端の「秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します」
意味回答書そのものが守秘の対象
次にすること売主が電力会社の了解を取ったか、墨消し版か
回答書の書き方注意事項説明書に、同封の「ノンファーム型接続」の同意書を出すよう書かれている(東京)
意味ノンファーム型接続への同意を書面で出す。記載例も、契約申込みの受付時に同意が要ると書く
次にすること申込みの書類一式に入れる
回答書の書き方注意事項説明書に、標準的な単価の参照先と、撤去資材の残存価額は精算時に確定(東北)
意味精算で動く項目を先に言っている
次にすること精算の差額をどちらが持つかを、売買契約に書く

○の行も、同じ流れで見る

申込者に必要な対策(3.(5))。適合表で、「不適」や「提出要」になっている項目を拾います。通信装置・出力制御の機器・保護装置は見積に乗ります。「今回未提出データ提出要」の行があれば、接続検討は代わりのデータで検討しています。出す時期は連系の実施の段(業務指針第104条)で、出せない諸元は協議になります。

運用上の制約(3.(7))。制約の有無、作業停止時の抑制・停止、基幹系統の再給電方式(混雑したときに出力を止める順番のルール)、ノンファーム型接続の適用に係る抑制(潮流実績、設備停止作業の日数・頻度)。収益の前提がここにあります。「出力制御量に影響を与える主な設備名」は、記載例では連系可否の欄(見本2のD)にあります。特別高圧の記載例には充電制限(早期連系追加対策)の想定潮流が付き、止める時間の上限は1日12時間が目安とされています。会社によっては、ローカル系統の混雑管理の扱いもこの欄に書かれます。

前提条件(3.(6))とその他(3.(8))。(6)は検討対象年度と断面(高圧の記載例は放電側が軽負荷時・重負荷時、充電側が重負荷時。特高は放電側が軽負荷時のみ)と、代わりに使ったデータ。(8)は、容量市場・需給調整市場に参加できない場合を容認すること、国の審議会の結論で充電側の対策が変わりうること、他の申込み状況で対策が変わりうること。読んでおけばよい行です。

今後の手続(4.)。契約申込みに要るもの(対策の具備と保証金)、承諾後2か月以内の使用権原の書類、有効期限、一括検討の対象になる可能性。一括検討(特別高圧の系統の工事の負担金を共同で持つ申込者を募る手続き)の対象になる可能性がある場合や、始まった場合は、手元の回答書では契約申込みを受け付けてもらえず、一括検討への応募で進めることになります。

見本8○の行(対策・運用上の制約・その他)接続検討回答書(別添)3.(5)・(7)・(8)

(5)申込者に必要な対策

項目適合状況適合しない場合の追加対策内容
② 発電機定数・諸元その他(今回未提出データ提出要)A
③ 力率不適進み○○~遅れ○○とする必要があります。B
⑧ 電圧変動対策不適力率一定制御としていただく必要があります。
⑪ 保護装置適
⑱ 発電出力の抑制機能適
(中略)

(7)運用上の制約

(a) 制約有無:あり

・○○kV○○線、□□線、▽▽変電所の作業停止時及び周辺系統の作業停止に伴う系統切替等、系統運用上必要な場合には、発電抑制、もしくは停止していただくことがあります。C

(中略)

・275kV○○線における設備停止作業日数実績 過去3年間(20○○年度~20○○年度)の当該線路平均停止作業計画日数:○日/年D

(8)その他

・貴社発電所がノンファーム型接続による系統連系をすることで、容量市場および需給調整市場に参加できない場合は、これを容認していただきます。E

(中略)

・現在、国の審議会(系統WGなど)において、系統接続時における充電側の課題への対応について議論されており、その結論によっては、対策工事の内容等が変更となる可能性があります。F

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します ○○株式会社

文言は電力広域的運営推進機関の記載例(高圧・様式AP8-202610)から。名称・地名・数字は架空で、実在の回答書ではありません。会社によって言い回しや欄の番号が少し違います。適合状況の「適・不適」は見本として埋めたもので、記載例では「適・不適・その他」の選択肢のままです。19項目のうち5項目だけ載せました。

○の行に、こう書いてあったら
回答書の書き方「(今回未提出データ提出要)」(記載例の書き方)
意味出していないデータがあり、代わりの値で検討した
次にすること連系の実施の段までに出す。誰がいつ出すかを決める
回答書の書き方「その他(代表機、実機試験データにて確認)」
意味同じ型の代表機のデータで検討した。実機の試験データで後から確かめる
次にすること実機の試験成績書を出す段取り(東北は「実機試験成績書の提出が必要」と書く)
回答書の書き方力率が「適」でも、「力率一定制御(放電時○%・充電時100%)」
意味放電と充電で、力率の設定値が決められている
次にすることPCSの設定でできるか。施工会社に確かめる
回答書の書き方「不適」と、追加対策「力率一定制御としていただく必要があります」など
意味PCSの設定や機器で対応する
次にすることEPCの見積と機器の仕様に入っているか
回答書の書き方「作業停止時…発電抑制、もしくは停止していただくことがあります」と、停止日数の実績。(8)の注に「※蓄電池の場合は、充電停止を含みます」(特高の記載例は作業停止の文自体に充電停止がある)
意味点検・工事で止まる日がある。充電も止められる
次にすること年間の稼働日数に反映する。充電の時間帯が収益の前提なら、そこも
回答書の書き方「ローカル系統の混雑管理システム運開前は、当社が事前に連絡する抑制に無補償で応じていただきます」(中部)、「システム運開後に連系可能」(東北)
意味混雑を管理する仕組みができるまでの扱い。連絡で止められるか、運開まで連系できないか
次にすることその仕組みの運開予定と、それまでの抑制の頻度
回答書の書き方「容量市場および需給調整市場に参加できない場合は、これを容認していただきます」
意味ノンファームの電源は、市場に出られない場面がある
次にすること収益の前提(どの市場で稼ぐか)を見直す
回答書の書き方4.(2)「電源接続案件一括検討プロセスを開始する場合があります。開始となった場合、本接続検討の回答による貴社の契約申込みは受け付けず」
意味一括検討が始まると、この回答書のままでは申込みできない
次にすること対象になる可能性の記載と、近くの申込みの状況を電力会社に聞く
回答書の書き方「…電源接続案件一括検討プロセス開始の申込みを行うことができる系統連系希望者に該当いたしません」
意味一括検討の開始を、自分から申し込める立場ではない、という記載
次にすること工事が一括検討の対象になる可能性は、同じ4.の「契約申込みを受け付けない場合」で別に見る

事例:総額は約4倍、連系予定日は1年4か月違う2通

6か所を読むと、同じ「高圧・2,000kW弱・回答書あり」でも、まったく別の案件に見えてきます。当社が読んだ回答書によくある形を合成した、架空の2通で比べます。どちらも回答日は2026年3月10日で、回答から3か月で契約申込みの受付、受付から6か月で承諾、承諾から2か月で入金とします。

回答書A
最寄りの線に枝分かれする標準形
1申込内容
放電1,990kW・充電1,990kW。売主の資料と同じ
2連系可否
可(対策が前提)。主な設備名:対象なし
3工事の概要
○○号柱より分岐し。選定理由は最も近く連系が可能な線
4負担金の内訳
架空線3.6・通信0.9・計量1.1=5.6百万円(税抜)
5工期
工事費負担金の入金後 10ヶ月程度
6注意事項
標準の6項目。有効期限は2027年3月10日
当社の読み:標準形。入金が2027年2月なら、連系は2027年12月ごろ。負担金は精算で動いても幅が小さい。
回答書B
充電側の工事と、変電所からの新設線
1申込内容
放電1,990kW・充電1,990kW。売主の資料と同じ
2連系可否
可(対策が前提)。主な設備名:66kV○○線。再給電方式
3工事の概要
○○変電所に新設する6kV○○線より。必要性に貴社連系による順潮流により…変圧器の増強工事
4負担金の内訳
架空線6.8・地中線9.5・変電設備工事5.2・通信0.9・計量1.1=23.5百万円(税抜)
5工期
入金後 2年2ヶ月程度。運転開始希望日には連系不可…調整が必要
6注意事項
標準の6項目。有効期限は2027年3月10日
当社の読み:総額はAの約4倍だが、差の本体は工期。連系は2029年4月ごろで、Aより1年4か月遅い。変圧器と地中線は承諾・精算で動きやすい。充電kWを下げて順潮流の工事を外せないかを、電力会社に聞く。

2通とも架空です。地名・数字は当社が読んだ回答書をもとに作った例で、特定の案件のものではありません。

売買の資料では、2通とも「高圧・回答書取得済み・負担金○百万円」の1行になりがちです。Bの値付けは、負担金の差額よりも、連系までの時間と、そのあいだの金利・地代・期限切れのリスクで決まります。当社が値段を考えるときに効くのも、負担金の差額よりこの時間の差です。

買う人が売主に求めるもの

6か所を読んだあと、売主にこう頼みます。

よくある質問

事前相談で「制限なし」だったのに、回答書では充電側の対策工事が付きました。なぜですか?

無料の事前相談は、配電用変圧器の熱容量から簡易的に評価した結果で、充電側を検討したとは書かれていません。回答書は「逆潮流(受電)側と順潮流(供給)側を包含した検討結果」で、充電側(順潮流)も見た結果です。充電側が原因の対策工事は、回答書で初めて出てきます。当社の束では、充電側起因の対策や制約が書かれた回答が4分の1強あり、付いた回答は工期の中央値が約1.6倍でした。

負担金の総額が予算に収まっていれば、内訳は見なくてよいですか?

内訳の行で、工期と動きやすさが決まります。架空線と計量・通信だけなら標準形で、当社の束では内訳の行の中で架空線工事がいちばん大きく、全体の37%でした。変電設備・地中線・上位系統工事の行に金額が入っていれば年単位の工事で、精算でも動きやすい。総額が同じでも、中身で案件の性格が違います。

売主から回答書のPDFをそのまま送ってもらってよいですか?

回答書には守秘の条項があり、各ページに「秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します」とあります。売主が電力会社の了解を取っているか、墨消し版かを確かめてください。当社は了解を取るか、墨消し版を使っています。買い手候補への開示を一般に認めた公式の文は、今のところ見つかっていません。

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有効期限・保証金

事前相談・要否確認・費用負担

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当社の集計は、当社に売却や紹介で来た案件の接続検討回答書・連系承諾を読んで数えた範囲の観測です。地点・社名・個別の金額は出していません。

この記事の監修
中島 晋也(サイエンスエックス株式会社 代表取締役・工学博士)

系統用蓄電池の案件を仕入れて売る実務に基づいて執筆・監修しています。接続検討回答書・連系承諾の読み方は広域機関と一般送配電事業者の公開資料によるもので、当社の集計は当社に来た案件の範囲の観測です。公表統計ではありません。本稿の誤りのご指摘は s@scix.co.jp まで。