回答日から1年以内に契約申込みの受付まで進み、技術検討(原則6か月)が終わると、2通目の紙「連系承諾」が届きます。この紙で契約が成立し、ここから期限が動き出します。一方で、負担金の額はまだ動きます。この回は、承諾で確定するものと、まだ動くものを読みます。言葉は入口編の早見表に。

この記事の内容
承諾には何が書いてあるか 確定するもの:契約と、系統の席 承諾の日から動く3つの時計 それでも動くもの:額は承諾と精算で2回動く 承諾は「いつ・いくら」を書いた紙ではない 自分で申し込む人の段取り 名義と守秘 よくある質問

承諾には何が書いてあるか

広域機関の共通様式では PP3「契約申込回答書【承諾】」、題は「発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)」です。会社の呼び名は違います。中部は「契約申込みに対する回答書」、東北は「系統連系承諾書」、北陸は「発電量調整供給承諾書」です(書式や契約の種類で違うことがあります)。九州は接続検討から内容が変わったときだけ先に「技術検討回答書」を送り、承諾はまた別の紙です。蓄電池は充電側(需要側)の契約も同時に申し込むので、需要側の回答LP3「需要設備に関する契約申込みの回答について」が別に来ます。

回答書と違って、承諾は共通なのが表紙だけで、別紙の付け方は会社ごとです。当社が読んだ承諾に付いていた別紙をもとに、よく付くものを並べます。

表紙 契約申込みの回答(承諾)様式PP3発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)契約申込みの申込日・受付日回答日(承諾日)承諾の一文・容量確定の一文根拠:送配電等業務指針第97条◎承諾日=3つの時計の起点承諾できないときは PP4申込内容の詳細発電契約者の名称・場所・契約受電電力○工事概要と工事費負担金額は「概算」か「確定」か。連系点は変わったか◎所要工期と概略工程表「入金後○か月」。連系予定日が書いてあるか◎検討結果説明書技術検討の結果。回答書から変わった所○取り決め・試験項目給電指令・再並列・試験(中部に多い)△不足資料連系時までに出す書類の名前○系統情報潮流実績・設備停止作業の日数・頻度△別紙(会社ごと。当社の束によく付いたもの)需要側の回答様式LP3充電側(接続供給契約)への回答契約電力・供給地点・負担金発電側とそろって、放電と充電の両方の契約が成立同封か、続けて届く請求書・契約書工事費負担金の請求書工事費負担金契約書(名前は会社で違う)ノンファーム同意書の控え◎請求書の発行日から支払期限承諾は「いつ・いくら」を書いた紙ではなく、「契約が成立し、ここから期限が動く」ことを知らせる紙承諾の日から1か月・2か月・入金の期限が動く。負担金の最終額と連系の日は、このあと決まる。◎=買うか進めるかの判断が変わる ○=契約と見積に効く △=背景
図1|連系承諾の見取り図。表紙は広域機関の様式PP3、別紙は会社ごと。充電側は需要側の回答(LP3)が別に来て、請求書と契約書が同封か続けて届く。

◎ 買うか進めるかの判断が変わる ○ 契約と見積に効く △ 背景。読む順は ◎→○→△ で、様式の順ではありません。

表1|連系承諾の中身と、見る所
場所重さ何が書いてあるかここを見る
表紙(様式PP3。会社によっては自社書式)◎件名「発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)」、契約申込みの申込日・受付日、回答日(承諾日)、承諾の一文と、容量を確定した旨の一文(根拠は送配電等業務指針第97条)。承諾できないときはPP4承諾日。ここから1か月(負担金契約)・2か月(使用権原。2026年10月1日以降に受け付けた契約申込み)・入金の時計が動く。「承諾」か「承諾不可」か。FIT・FIPの電源では、この紙が認定申請の「接続の同意を証する書類」になる会社が多い(中部のFITは、負担金契約のときに出る「系統連系に係る契約のご案内」)
申込内容の詳細(別紙)○申込区分、発電者(発電契約者)の名称、発電場所、受電地点、契約受電電力、同時最大受電電力、受電電圧・計量電圧発電契約者の名義が売主か。契約受電電力・同時最大受電電力が回答書と同じか。名義が売主なら、買うときに名義変更か地位の移転
工事概要と工事費負担金(別紙)◎工事の概要、負担金の額と算出の諸条件、工事・工期に関する条件、連系点の選定理由額が「概算」か「確定」か(概算のままが7割)。連系点と工事内容が回答書から変わっていないか(変わった組が半分)。「停電の協力が前提」などの条件
所要工期と概略工程表◎「工事費負担金の入金後○か月」、工程表、希望日を超える場合の調整の文ここでも入金の日から数える。工程表でいちばん長い工程(計器や通信装置の納期)。連系予定日が書いてあるか(書いてある承諾は3割以下)
検討結果説明書(別紙)○技術検討の結果(電圧・潮流・短絡容量・保護装置・通信・計量)回答書から変わった所。九州は変わったときだけ「技術検討回答書」が先に来る
系統連系の取り決め・試験項目(別紙。中部に多い)△給電指令による抑制・停止、連絡の方法、再並列の連絡、開閉器の扱い、連系時の試験項目連系前の宿題。他社ではこの中身を給電申合書(運転や連絡のしかたの取り決め)などで別に結ぶ
不足資料(別紙)○接続検討のときに足りなかった資料の提出依頼、連系時に必要な技術資料・試験データ連系時までに出す書類の名前
系統情報(別紙かURL)△潮流実績、設備停止作業の日数・頻度、出力制御量に影響を与える主な設備止められる頻度の目安。付いていなくても、窓口で提示情報として受け取れる(特高は潮流と作業停止、高圧は配電線の電流と停電実績)
需要側の回答(様式LP3、東北は「供給承諾書」)◎充電側の契約申込みへの回答(LP3は「承諾」の語を使わず、検討結果を別添で回答する様式)。契約電力、供給地点、需要側の工事費負担金発電側と需要側の2通がそろっているか。そろって放電と充電の両方の契約が成立する
同封か、続けて届く紙◎工事費負担金の請求書(明細書と振込用紙)、工事費負担金契約書、ノンファーム型接続の同意書の控え、託送供給の承諾のお知らせ(東京)、料金の案内請求書の発行日(九州は発行日から1か月、中部は請求後1か月以内が原則)。分割なら初回50%。負担金契約の締結日が承諾から1か月以内か

ここからは、承諾の紙の文面を見本で読みます。表紙は広域機関の共通様式、本文と別紙は中部電力パワーグリッドと関西電力送配電が公開している書式の文言です。金の丸の英字(A、B…)が当社の読む所です。

見本1承諾の表紙発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)様式PP3

2026年12月15日A

○○株式会社 御中

○○電力送配電株式会社 ○○長

発電設備等に関する契約申込みの回答について(承諾)B

拝啓 貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。

さて、当社は、貴社の2026年6月10日付けの契約申込み(2026年6月16日受付C)につきまして、別添のとおり、同申込みを承諾することを、本書をもってお知らせいたします。

また、当社は、本承諾をもって、電力広域的運営推進機関の送配電等業務指針第97条に基づき、系統連系希望者のために確保していた送電系統の容量を確定したDことを併せてご通知いたします。

敬具

文言は広域機関の様式PP3-20240410から。関西電力送配電の公開記載例(旧版のPP3)は、受付日の括弧が無く「別添書面のとおり」とあるほかは同じ文です。日付・会社名は架空です。

見本2中部の承諾(本文と別紙の抜粋)契約申込みに対する回答書(中部電力パワーグリッドの公開書式・高圧)

契約申込みに対する回答書

貴社からの接続契約申込み(○○○○年○月○日受付)につきまして,本回答をもって接続契約の締結(連系承諾)といたします。Eなお,接続契約の前提となる技術検討結果および技術要件は別紙のとおりとなります。

2.○○○○年○月○日(○)までに,工事費負担金契約の締結意思をお示しいただきます。Fなお,工事費負担金契約の締結意思を期限日までにお示しいただけない場合,…接続契約を解除させていただきます。

3.工事費負担金(系統連系保証金を除く)は工事費負担金契約締結後,速やかにご請求いたします。工事費負担金…のお支払いは,原則,ご請求後1か月以内となります。G

(別紙・中略)

(6)連系時に必要な技術資料、試験データ

接続検討時に不足していた以下の資料について、連系時に確実に提出願います。H

(9)その他

(a) 工事内容、概算工事費、工事費負担金および所要工期は、現時点で把握しうる情報をもとに検討した結果です。このため、検討条件の変更※1、系統条件の変化※2、用地事情※3等によっては、工事内容、概算工事費、工事費負担金および所要工期が変わることがあります。I

(b) 発電設備を変更する場合等において、再検討が必要となる場合には、1地点1検討につき20万円に消費税等相当額を加えた金額を申し受けます。J

(別紙)4.添付資料 ・「直流発電設備系統連系に関する検討結果説明書」 ・「高圧発電設備系統連系に伴う取り決めについて」K

秘密情報 目的外使用・第三者への開示を禁止します 中部電力パワーグリッド株式会社

文言は中部電力パワーグリッドが公開している高圧の「契約申込みに対する回答書」の書式から。抜き出して並べたもので、日付は伏せ字のままです。

見本3別紙の「工事概要等」発電量調整供給契約申込みに対する回答 別紙(関西電力送配電の公開記載例)

発電量調整供給契約申込みに対する回答 別紙

1.お申込み内容詳細

発電者の名称株式会社○○ ○○蓄電所L
契約受電電力(kW)1,990
同時最大受電電力(kW)1,990
受電電圧(V)常時 6,600

2.接続供給に必要となる工事概要等 <通信設備>

工事概要・無線通信設備 撤去、新設
工期・工事費負担金入金後 ○週間M
工事費負担金○○,○○○円(うち消費税等相当額 ○,○○○円)
工事費負担金の算出にあたっての諸条件・工事概要、工期および工事費は提出いただきました配置図等をもとに算出したものであり、配置等が変更になる場合はこれらを変更することがあります。N
工事・工期に関する条件・工事に伴い停電が必要となる場合があります。上記工期は停電のご協力が得られることを前提としております。O
・無線通信設備の設置スペースを無償で提供していただきます。

文言は関西電力送配電が公開している様式PP3の記載例の別紙から(記載例は太陽光の発電所)。名称と数字は架空の蓄電所に置き換えました。

確定するもの:契約と、系統の席

承諾で契約が成立します。東京電力PGの約款は「申込みを当社が承諾したときに」契約が成立すると書き、中部の書式は「本回答をもって接続契約の締結(連系承諾)といたします」と書きます。連系予約(系統の席)はこの時点で確定します。買う側にとっては、この紙の有無が「回答取得済み」と「承諾済み」の案件を分ける線で、値段の階段(COLUMN 49)はこの差で動いています。

九州だけは途中に紙が1枚増えます。技術検討の結果が接続検討から変わったときだけ「技術検討回答書」を先に送り、変わらなければ送りません。承諾の通知はそのあとです。北陸は「技術検討結果のお知らせおよび工事費負担金のご請求」が一つの段になっています。

見本4九州の技術検討回答書契約申込みのあと、承諾の前に届く紙(九州電力送配電)

発電量調整供給契約申込みに対する回答について
(別添:技術検討回答書)P

貴社の契約申込みについて技術検討を行いましたので、別添のとおり回答いたします。

・工事費負担金は、ご請求から原則1か月以内にお支払いください。期限を過ぎた場合は、契約を解除させていただくことがあります。Q

・本回答の内容に同意いただけない場合は、取下書をご提出ください。R

(別添・技術検討回答書)

本回答は、接続供給契約申込書の契約電力(供給側)を基に、充放電両面を考慮した検討結果です。S

別紙1 概略工程表 別紙2 送電 別紙3 保護 別紙4 給電 別紙5 通信 別紙6 短絡容量 別紙7 計量 別紙8 工事費負担金の算定根拠 別紙9 要望事項T

当社が読んだ書類の言い回しを、名称・番号・数字を伏せて整えた見本です。特定の書類の写しではなく、会社や時期によって書き方が違います。

承諾の日から動く3つの時計

承諾日工事費負担金契約1か月以内結ばなければ連系予約の取消し土地の使用権原の書類2か月以内非FIT・非FIP。10月1日以降に受け付けた申込み入金契約で定めた期日払わなければ取消し。分割なら初回50%以上。特高の需要地点は別に、供給承諾から3か月(各社の約款)入金の日から、回答書の「所要工期」が始まる承諾の日ではない。入金が遅れれば、その分だけ連系も遅れる赤線=守れなければ連系予約の取消し(指針第97条第2項)
図2|承諾日から動く3つの時計。1か月以内に工事費負担金契約、2か月以内に土地の使用権原の書類(非FIT・非FIP、2026年10月1日以降に受け付けた申込み)、期日までに入金。守れなければ連系予約は取り消される(送配電等業務指針第97条第2項)。

入金の日から、回答書の「所要工期」が始まります。承諾の日ではありません。入金が遅れれば、その分だけ連系も遅れます。

日付で並べると(承諾日が2026年12月15日のとき)
工事費負担金契約:2027年1月15日まで → 請求書:1月20日に出たとする → 使用権原の書類:10月1日以降に受け付けられた申込みなら、承諾から2か月の2月15日まで(この例は6月受付なので対象外) → 入金:2月20日ごろまで(請求から1か月が原則の会社の場合) → 工期1年2か月なら、連系は2028年4月ごろ。
年末年始をはさむと、1か月の時計は思ったより短く感じます。承諾が出る前に、負担金の資金と土地の書類を用意しておくのが当社の段取りです。

それでも動くもの:額は承諾と精算で2回動く

承諾で示される負担金も最終額ではありません。机上計算の概算額のまま負担金契約を結ぶことがあり、差額は工事完了後に追加請求か払戻しで精算します。電力・ガス取引監視等委員会が2017年度の66・77kVの電源線(発電所をつなぐための線)の工事を調べた結果では、接続検討から契約時に上振れが42%・下振れが51%、契約時から精算時には上振れ20%・下振れ77%でした。東京電力PGが2020年に公表した、工事完了から3か月たっても精算されていなかった102件も、払戻し70件・追加請求32件と両方に割れていました。

工事費負担金の額は、どちらに動いたか(割合)接続検討 → 契約時上振れ 42%下振れ 51%監視委員会 2019年3月(2017年度・66/77kV)契約時 → 精算時上振れ 20%下振れ 77%同上回答書 → 連系承諾増額 44%不変 17%減額 28%不明 11%当社の束(回答書と承諾の両方がある案件)額の方向は会社と時期で割れる。承諾の額を最終額として買値や計画に置かない
図3|額は2回動く。上2段は監視委員会の調査(2017年度の66・77kV電源線工事)、下段は当社が読んだ回答書と承諾の両方がある案件。

当社の束では、承諾で増額44%・減額28%・不変17%(残り11%は額を比べられない組)で、高圧の増減率の中央値は+2%程度でしたが、中部は3組に2組が増額でした。承諾の額を最終額として買値や事業計画に置かない。精算の差額をどちらが持つかを、売買契約に書いておく。それが当社のやり方です。

承諾で額が上がったときの逃げ道も、ルールに書かれています。広域機関の「系統アクセスの流れ」は、工事費負担金契約を結ぶ前に、負担金の額が接続検討の回答書の額より増えた、所要工期が回答書の期間より延びたなどの事情で申込みを取り下げたときは、保証金を返す、としています。こうした事情がないまま取り下げると、保証金は没収です。承諾の額と工期は、回答書と並べて見比べ、上がったなら負担金契約の前に判断します。

承諾のあとも、少なくとも4つが動きます。負担金の最終額、入金から数える工期、充電制限の具体的な内容(電力会社と運用の申合せを結ぶまでに示され、接続後に見直しがある場合の更新は原則年1回)、そして連系予約そのもの(上の3つの時計と、申込内容の変更)。案件の値段は、承諾があるかどうかより、この4つをどこまで書面と記録で詰めてあるかで決まります。

回答書から承諾で、何が変わったか

回答書から承諾で変わったこと(当社の束・両方がある案件の割合)追加の条件(取り決め・試験・開閉器・再並列など)100%連系点が変わった50%申込者の対策が増えた44%工期の起算点が変わった31%機器の記載が変わった17%額より、条件と連系点のほうがよく動く。承諾は回答書の「確定版」ではなく、受付時点の系統で確かめ直した「別の紙」として読む。
図4|回答書から承諾で変わったこと。額より、追加の条件と連系点のほうがよく動く(当社の束)。

追加の条件は全組に付きました。連系点が変わった組が半分、申込者に必要な対策が増えた組が4割強、工期の起算点が変わった組が3割。負担金の額より、条件と連系点のほうがよく動きます。

当社の束で、回答書と承諾の両方がある組を並べると、変わり方は3つの型に分かれました。

表2|回答書から承諾で、どう変わったか(当社の束で見た3つの型)
型何が変わったか負担金工期加わった条件
高圧・精査型連系点の書き方が詳しくなるか、簡単になるだけ変わらないか、増減とも3割以内が多い変わらないか、数か月延びる系統連系の取り決め、停電のあと手動でつなぎ直す取り決め、力率の設定(力率一定制御)
高圧・振替型つなぐ配電線が、別の線に替わる数割増えることが多い数か月延びることが多い。東京では、工期の起点が契約申込みの受付に替わる例同上
特別高圧「No.○鉄塔から分岐」が加わり、「可」が条件付きの「可」になるほぼ変わらないほぼ変わらない転送遮断装置(線の事故のとき、電力会社の信号で切り離す装置)と、電力会社側とつないで行う試験(対向試験)

当社が読んだ回答書と承諾の両方がある組の観測。市場の平均ではない。

いちばん判断が要るのは振替型です。架空の例で並べます。

接続検討回答書
2026年3月の回答
連系点
6kV A線 ○○号柱より分岐
負担金(税抜)
5.6百万円(架空線・通信・計量)
工期
工事費負担金の入金後 10ヶ月程度
条件
申込者に必要な対策(通信装置・出力制御の機器)
連系承諾
2026年12月の承諾
連系点
6kV B線 ○○号柱より分岐。理由はA線の熱容量を超過するため
負担金(税抜)
8.1百万円(+45%。B線までの架空線が延びた)
工期
工事費負担金の入金後 1年4ヶ月程度(+6か月)
条件
上に加えて、系統連系の取り決め、力率一定制御、連系時の試験項目

承諾は「いつ・いくら」を書いた紙ではない

負担金が「概算」のまま
67%
「確定」は20%
連系予定日の記載なし
73%
書いてあるのは27%
支払期日の記載なし
62%
分割払いの記載は無し

当社が読んだ連系承諾の本体の集計(当社観測)。承諾の紙そのものには「いつ連系できるか」「いくら払うか」が書かれていないことのほうが多い。

承諾には、回答書に無い別紙が付きます。当社の束では、検討結果説明書がいちばん多く、工事概要図、所要工期・概略工程表、潮流実績と設備停止頻度、不足資料、系統連系の取り決めと続きます。概略工程表には、工期を決めている工程が月単位で区切ってあります。当社の束で多かった工程名は、変電設備工事、電子通信設備工事、計量器工事、諸手続、架空送電設備工事。計器や通信装置の資材の納期で工程が決まる、と書いた工程表もあります。

見本5承諾の別紙「所要工期について」承諾に付く工程表(会社によって題が違う)

所要工期について

工事費負担金の入金後 1年6ヶ月程度(契約手続きの期間は含みません)U

概略工程表

工程〜3か月〜6〜9〜12〜15〜18
諸手続
架空配電設備工事(現場調査・設計)
架空配電設備工事(工事施工)
電子通信設備工事(資材納期を含む)
計量器工事(計器の資材納期を含む)

※工期は、計器および通信装置の資材納期によります。V

当社が読んだ書類の言い回しを、名称・番号・数字を伏せて整えた見本です。特定の書類の写しではなく、会社や時期によって書き方が違います。工程の月数は架空です。

承諾の別紙に、こう書いてあったら
別紙の書き方別紙「検討結果説明書」に、保護装置の設定値(整定値)や電圧変動の判定と「確認要」の項目
意味技術検討の結果。資料を出したあとに再検討する項目が残っている
次にすること「確認要」が何で、いつ誰が資料を出すか。当社の束で届いた別紙の中で、いちばん多い
別紙の書き方別紙「連系時に必要な技術資料」に、構内ケーブルの長さ(亘長)がわかる資料、変圧器に電気を入れた瞬間の大きな電流(励磁突入電流)への対策を示した単線結線図、保護装置(地絡過電圧継電器)が切れるまでの時間、実機の試験結果、連絡体制など
意味接続検討のときに足りなかった書類(不足資料)
次にすること出し終わっているか。買うなら、売主と施工会社のどちらが持っているか
別紙の書き方別紙「高圧発電設備系統連系に伴う取り決めについて」(中部)
意味作業時・故障時・需給ひっ迫時の連絡の方法など、連系したあとの約束
次にすること運用を任せる会社が守れる体制か。他社では給電申合書などで別に結ぶ
別紙の書き方別紙に「試験項目」「再並列の連絡」「高圧引込用開閉器の廃止」
意味連系の前にする試験、停電のあとに電気をつなぎ直すときの連絡、構内の開閉器の扱い
次にすること連系前の宿題として、施工会社の工程に入っているか
別紙の書き方別紙に「潮流実績」「設備停止頻度」
意味出力制御や作業停止で止められる頻度の目安
次にすること収益の試算に入れる。付いていなくても窓口で受け取れる
別紙の書き方負担金の書類が「(概算)」から、請求のときに「(詳細設計後)」に変わる(東京)
意味詳細設計で額を出し直した
次にすること承諾の額と請求の額を並べて、差を記録する。精算でさらに動く

自分で申し込む人の段取り

  1. 申込書類は様式の最新版で、不備なく出す。接続検討の「受付日」は書類に不備がなく検討料の入金を確認した日で、書類の確認・修正に2か月程度かかっている、と広域機関は示しています(広域機関が受け付けた案件の過去5年の実績)。回答の期限(原則3か月。高圧で500kW未満の逆変換装置は2か月)は、受付から数えます。
  2. 回答が来たら、工期と負担金の前に6か所を読む。連系予定日は、入金後の工期に契約手続きの期間を足して組み直す(読み方編)。
  3. 回答日から1年の中で契約申込みへ。蓄電池は発電側(発電量調整供給契約)と需要側(接続供給契約。会社によっては小売電気事業者を通す)を同時に出す。保証金は工事費負担金概算(税込)の10%。受付のときに土地に関する書類、承諾後2か月以内に使用権原の書類が別に要る。
  4. 受付で連系予約。技術検討は原則6か月で、接続検討と結果が違えば差異と理由が示される。
  5. 承諾の日から、3つの時計。1か月(負担金契約)・2か月(使用権原)・入金期日。分割なら初回に50%以上。
  6. 変えるなら先に手続きを。出力を増やすなら接続検討のやり直し、受電設備や保護装置などの変更は要否確認、充電電力を変えると接続検討のやり直し(再度の接続検討)になりえる。申込内容を変えて系統連系工事を変える必要が生じると(軽微な変更を除く)、連系予約が取り消され、承諾後でも連系を拒まれることがある(業務指針第94条第4号・第105条第1項第4号)。変えるときは速やかに変更を出す。
  7. 系統の情報は、窓口に求めて受け取る。特別高圧では潮流と作業停止の計画・実績、高圧では配電線の電流と停電実績を、身分確認のうえ事前相談の提示情報として受け取れる。回答書に付いてこなくても取りに行ける。
  8. 2026年8月1日から、系統用蓄電池の接続検討に一事業者あたりの上限。会社ごとに5〜12件(沖縄は当面設けない)。受付後に取り下げると、検討料は原則返らない(検討状況により返る場合あり)。

名義と守秘

承諾の申込内容の別紙には、発電契約者の名義が書かれます。買うときは、この名義をどの書類で動かすかが要ります。九州は事業承継届と申込書の変更分を使います。東京は、接続検討時の名義と発電契約者が違うとき、申込みに「発電量調整供給に関する契約上の地位の移転について」を添えます(承諾後の売買での使い方は窓口に確かめます)。東京は2026年10月1日から、発電量調整供給の申込みを発電契約者から出すことを徹底しています。合併など契約上の権利義務を受け継ぐ場合は、託送供給等約款の「名義の変更」(例:九州の約款 52)で、電力会社が承諾したときに文書で申し出る手続きが定められています。会社分割が「その他の原因」に当たるか、持分譲渡が約款の外かは、案件ごとに窓口に確かめます。

守秘の条項は承諾にも付きます。買い手候補に見せるときは、回答書と同じく電力会社の了解か墨消し版で。

よくある質問

連系承諾が出れば、工事費負担金は確定ですか?

いいえ。承諾で示される額は机上計算の概算のままのことがあり、当社の束では67%が「概算」でした。負担金契約を結び、工事が終わった時点で精算されます。精算は増える方向にも減る方向にも動き、監視委員会の調査(2017年度の66・77kVの電源線工事)では契約時から精算時に20%が上振れ、77%が下振れでした。

承諾のあと、何日以内に何をしなければなりませんか?

承諾から1か月以内に工事費負担金契約を結び、2か月以内に土地の使用権原を証する書類を出し(非FIT・非FIP、2026年10月1日以降に契約申込みが受け付けられた案件から)、契約で定めた期日までに入金します。どれかを守れなければ連系予約は取り消されます。系統用蓄電池の分割払いは初回に総額の50%以上です。特別高圧の需要地点(充電側)は、各社が供給承諾から3か月以内の入金を定めています(需要側の申込みの取消し事由)。

回答書と承諾で、変わりやすいのは何ですか?

額より条件と連系点です。当社が読んだ両方のある案件では、追加の条件(取り決め・試験項目・開閉器・再並列連絡)は全組に付き、連系点が変わった組が半分、申込者に必要な対策が増えた組が4割強、工期の起算点が変わった組が3割でした。負担金は増額44%・減額28%・不変17%(残り11%は額を比べられない組)で、高圧の増減率の中央値は+2%程度です。

参考にした一次資料と、関連する記事

承諾・連系予約・取消し

負担金の精算・保証金・分割払い

系統情報・充電制限

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当社の集計は、当社に売却や紹介で来た案件の接続検討回答書・連系承諾を読んで数えた範囲の観測です。地点・社名・個別の金額は出していません。

この記事の監修
中島 晋也(サイエンスエックス株式会社 代表取締役・工学博士)

系統用蓄電池の案件を仕入れて売る実務に基づいて執筆・監修しています。接続検討回答書・連系承諾の読み方は広域機関と一般送配電事業者の公開資料によるもので、当社の集計は当社に来た案件の範囲の観測です。公表統計ではありません。本稿の誤りのご指摘は s@scix.co.jp まで。